復習や自主学習の重要性

学習塾では生徒の学力を向上させるために色々と工夫して授業を行ったり指導を行ったりしてくれます。

それぞれの生徒の現状に合った塾を選べば学力の向上を実感できる可能性があります。しかし、学力を確実に向上させようと思うと授業を受けるだけではなく、復習や自主学習の時間を作る必要があります。

今回は、復習の重要性や、復習や自主学習の意義について考えていこうと思います。


 

目次
      1. 復習の重要性
      2. 復習や自主学習の意義
      3. まとめ

 


1. 復習の重要性

 

〇エビングハウスの忘却曲線

 

みなさんは学校や学習塾で問題の解き方を教わったときには「わかった!」と思ったが、少し時間が経ったら「わからない……。」となってしまった経験はありませんか?これは、みなさんに問題があるわけではありません。人間の脳はそういうものなのです。

みなさんは、エビングハウスの忘却曲線というものを見たことはあるでしょうか?エビングハウスの忘却曲線(図1)は、学習後の知識の記憶が時間とともにどのように減衰するかを示したものです。

この曲線は、ある知識が学習された後、最初の数日間で急速に忘れられ、その後はより緩やかなペースで忘れられていくことを示しています。見ていただければわかるように、1時間後には半分のことを忘れてしまうのです。

図1

学校ではテストがあるので教えられたことは覚えていかなければなりませんし、社会に出たあとは、仕事を行う上で覚えなければならないこともたくさんあります。せっかく覚えてもすぐに忘れてしまっては何度も覚え直さなければならないので大変です。

ここで悲観的にならないでください。エビングハウスの忘却曲線には続きがあります。 次のグラフ(図2)を見ていただくとわかるように復習を繰り返すと忘れていくスピードが遅くなっていく(減衰の曲線がなだらかになっていく)のがわかると思います。

つまり、忘れる前に何度も復習すれば記憶を長期的に保つことができるということです。

図2

 

〇効果的な復習方法

 

ここまでで学習した知識を忘れる前に何度も復習をすれば記憶を長期的に保つことができることが分かったと思います。あとはいかに効率よく復習をするかです。

中学、高校と進学するにつれて学習する教科は増えていきます。さらに内容も詳しくなるので覚えなければならないことも増えていきます。

復習に時間が掛かりすぎると遊ぶ時間ものんびりする時間も無くなり精神衛生上よろしくありません。
ポイントは短い時間で繰り返し同じ範囲を復習することです。そしてできるだけ書かずに口答でセルフテストを行うことです。

慣れるまでは何度やっても覚えられないと感じたり、書かないと覚えられないと感じたりすると思います。しかし、慣れてくるとどのくらいの時間で忘れそうになっているか感覚がわかってくるでしょうし、どんなふうに覚えていけば忘れにくいかもわかってくると思います。とにかく「慣れるまであきらめずに続けよう」ということです。

 

〇日常生活でも復習を繰り返している

 

「慣れるまであきらめずに続ける」ことについて少し考えてみてもらいたいと思います。みなさんは日本で育った人がほとんどで箸を使って食事をすると思います。箸の持ち方を注意される人もいるかもしれませんが、それでも自分なりの持ち方で箸を使って物をつかむことができると思います。

では、保育所や幼稚園に通っている頃、箸を使い始めた頃に初めから正しい持ち方で上手に箸を使ってものをつかむことができたかどうかです。覚えていないかもしれませんが、おそらく最初からできた人はいないはずです。何か月、何年と試行錯誤してようやく現在に至っていると思います。

スポーツや楽器の演奏など様々な場面でこのことは思い出されると思います。どんなことでも初めからすぐにできる人はいません。何度も繰り返しながら試行錯誤することで感覚がつかめるのです。それによってはじめて感覚的に物事を行えるようになっていくのです。

 


2. 復習や自主学習の意義

復習をしっかり行い様々なことを覚えていったとしても、やはり少しずつは忘れていってしまいます。興味のないことや、生きていく上で必要のないことはやはり忘れていってしまうものなのです。

では、どうせ忘れてしまうのなら、がんばって覚えることは無駄なのかどうかです。

少し難しい話になりますが、脳は一生懸命何かを覚えようとすると情報をより深く理解するために、情報を受け取り、処理し、記憶する神経回路網を強化していきます。すると脳の新しい情報を処理する能力が向上するのです。それだけではありません。

一生懸命何かを覚えようとすることは、注意力や集中力を改善することにもつながります。社会に出たときに必要になる、課題に取り組む力や判断する力、また高度に知的な作業に取り組む力が養われるのです。

このように、「覚えていること」だけでなく、「覚えようとすること」にも意味があるのです。


3. まとめ

現代の社会はまだまだ理想的な社会とは言えず、多くの人が社会に不満を持って暮らしています。これを解決していくのも様々なことに疑問を持ちそれを解決しようとするという姿勢なのだと思います。

置かれている状況を受け入れるだけではなく、物事をよりよくする方法を考える姿勢は仕事をするうえでも大切になります。復習や自主学習をして疑問を解決していくことは、こうした姿勢を身に付けることにも役立ちます。

例えば古文を勉強しても直接的に将来の仕事に役立てられる人はほとんどいないでしょう。しかし、古文を理解しようとして試行錯誤した事は何らかの形で仕事や人生の役に立っているのです。

復習や自主学習に積極的に取り組めば、学校や学習塾で先生に教えてもらうだけでは身に付けることのできない力を身に付けることができます。ぜひ復習や自主学習の時間を積極的に作っていってください。


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